表参道ヒルズ
もはや過去の記憶となってしまった同潤会青山アパート。
その跡地を利用するプロジェクトは、ちょっと前まで特にこれといった名前は無かった気がした。それが、いつの間にか「表参道ヒルズ」という名前がついていた。
同潤会青山アパートという、近隣に馴染み親しまれた建物の後に、このような建物が建つということを、僕は受け入れることができない。
完成模型を見たとき、20年後・30年後にこの新しい建物が表参道と調和しているように思えなかったからだ。 ブームに群がり、暫くすると引いていく人の波と違って、ビルはずっと立ち続けなくてはならないというのに、その風景がとても想像できずがっかりした。 そして、新しい建物に六本木ヒルズと同じ冠を持つ名前を付けたことで、前回と併せて僕は大いに落胆した。 六本木と表参道という雰囲気の全く違う街に同じ「ヒルズ」。猥雑な六本木と青山が重なって、すごく嫌な気分になる。 ただ、僕が見たのは「模型」で、本物は違っているかもしれない。 予想を裏切って、素晴らしい建物だった、ということを願うのみである。 もし素晴らしければ「ヒルズ」に対する印象もまた違ったものになるかもしれない。 竣工は2006年1月。どうなるか僕は気を揉んでいる。何だかんだで表参道が好きなのだ。 森ビル 表参道プロジェクト |