何故だったのか20
嵐の後の静けさ。
あれほど鳴っていた雷も、雨も止んだ。 30人近くが集まっているのに、やけに静かな中で準備は進む。 梱包を解いて、配線をつなぎ、デコを飾る。 全てがパーティに向けて進んでいるような感じだった。 マイナスドライバーが無かったことなんて何とかなる。 電気が通る。 準備が終わる。 CDを入れてみる。 再生ボタンなんて押してみる。 フェーダー上げる。 おそるおそる。 ・・・ドッ。 鳴るキックの音。 静かにスピーカーがリズムを刻み始める。 感無量。DJ、後は任せた。 後を任せてテントを出た。 雨の後のひんやりした風が心地よい。 風の通らないテントの中から外に出て頭を下げてみた。 感謝。 全てはこのためにあったのだ。 やっと音と人と色々は日食へ向け、スピードを上げて走り出した。 |