何故だったのか21
音が鳴る。大地を踏みしめる!
踊って・・・気付いたときにはもう空が明るくなり始めていた。 この時まで、あれやこれやと考え続けていたことから開放されて、無心で踊っていたような。時間が過ぎるのはアッという間だ。 朝が来る。空はどんよりとした曇り。太陽は雲の向こう側だ。 太陽は見えない。朝方にまた小雨が降った。それでも悲壮感は無かった。それさえも楽しめる面子が集まっていたし、その上、前日からのハプニングの数々と、それを乗り越えてきたという事実は「何か起こる」という期待感を持たせるのに十分だった。 相変わらず、見渡す限りは雲だ。しかし風は速い。雲は急流を流れる水のように過ぎていく。少しずつ雲の向こう側が見えてくる。段々と雲が薄くなっているのだ。期待は大きくなる。もう太陽が欠け始める時間だ。雲の向こうで始まっている。フィルターを通して見ると、確かに太陽は欠けている。 もう、すぐそこだ。 |